KHE国際特許事務所
事例紹介


日本語翻訳文の不明確による失敗

産業用機械装置の製造A社は、ソフトウェアアルゴリズムに特徴を有する機械保全システムの発明をヨーロッパ特許庁に英語で出願し、その後ヨーロッパ9ヶ国で特許権の登録を受けた。ヨーロッパ出願を基礎に日本にも出願した。明細書にはアルゴリズムの根拠、ソフトウェアの機能、ハードウェアの動作が詳細に記載された。しかし、日本語に翻訳された日本出願の書面の内容からは「複数の公知のハードウェアを組み合わせて、数学アルゴリズムを単に付加した発明である」として産業上利用できる発明でない及び進歩性違反であるとの理由により出願が拒絶査定を受けた。

A社の失敗の原因

英語の原文にあったコンピュータソフトウェアとハードウェアの連携の技術的な意義は、日本語の翻訳文では明確に記述されず不明であった。これに加えて、日本の代理人は、本発明のシステムの技術的な意義を明確にする適切な補正と意見書を提出できなかったため、拒絶理由を解消することができなかった。